12/01/23-12/01/29
シブヤ大学
―シブヤがまるごとキャンパスというコンセプトの『シブヤ大学』の講義の中から、シブチャンスタッフが実際に講義を受講しレポートするコーナーです。―
■講義名:見えないフリークライミング~そこから見えてくるもの~
■講 師:小林 幸一郎
■日 時:2009年05月16日(土)11:00~13:00
■場 所:モンベルクラブ 渋谷店
今回の講師は、視覚障害者へのフリークライミング普及活動を行う「NPO法人モンキーマジック」代表理事の小林幸一郎さん。教室となったのは、フリークライミングの体験ができるアウトドアショップ「モンベルクラブ 渋谷店」。「見えないフリークライミングの世界」についてのお話を聞きながら、実際に目隠しをしてクライミングウォール(人口壁)に登り、“見えない世界”を体験する授業となりました。
小林先生とフリークライミングとの出会いは、高校2年生の時の本屋さんでのフリークライミング本の立ち読み。緑豊かな自然と親しめるフリークライミングが楽しく、次第にハマっていったのだそう。社会人になってから眼の病気が発症し、一時は諦めかけた事もあったとか。しかし、「見えなくなってから見えてきたものが沢山あった!」と、自分だけのものだった人生が自分だけのものではなくなった、とフリークライミングを続け、第一回障害者クライミング世界選手権では優勝した経験を持つほどです。
フリークライミングでは、クライミングネーム(ニックネーム)でお互いを呼び合うとのことで、小林先生に続き私たちも自己紹介した後、ニックネームを決めることに。自己紹介の所々で突っ込みを入れてくれたり、呼びやすいニックネームがない人には提案してくれたり…先生のそのユーモア溢れるトークに、会場では笑い声が絶えず、始めは緊張気味だった雰囲気が次第に和やかになってきました。
「ロッククライミング」には、人工的な手段を使って登る「エイドクライミング」と、自分の体を使って無理せず楽しく登る「フリークライミング」があります。今回体験する「フリークライミング」は、本来人間が持っている本能である知力・体力が必要とのこと。答えや勝ち負けはなく、自分なりの方法を見つけて登り、本来持っている能力を上手く使えた時がGOALなのだとか。
早速3人ずつの2グループに別れて、“5分以内にクライミングウォールの中間地点(高さ約6m)に取り付けられた鈴を鳴らすこと!”というミッションを課せられ、鈴を鳴らした人数が多いチームが勝ちというゲーム方式で、“見えないフリークライミングの世界”がスタートしました。
まずはハーネス(安全ベルト)をつけ、次に、ソールの薄い、柔らかく岩に吸いつくような素材のフリークライミングシューズを履きます。スタート地点の店舗1階レジ横からクライマーは目隠しをされているので、パートナー2人が支えながら声で誘導し、階段を降りて地下1階にあるクライミングウォールの前へ。岩の形状や、手足を動かす方向・角度・高さなどまで細かく説明してもらいながら、チーム一丸となって登っていきます。最初は、チーム内で思うようにコミュニケーションがとれず、サポート側も伝えることの難しさを感じた様子。伝えられる側も、どんな情報が欲しいのかを伝え、周りもそれに応えようと必死!次第にお互いが必要としている情報を感じ取れるようになり、チームワーク力が発揮されてきました。しかし、制限時間内にゴールへ辿り着くのは想像以上に難しく中々達成者が出ません。ここまで来たらチーム戦など関係なし!みんなが挑戦している1人を温かく見守り応援していました。そして6人中1人がなんとミッション達成!場内からは歓声と共に盛大な拍手が沸き起こりました!!
“見えないフリークライミングの世界”を体験し終えたみんなに小林先生が感想を聞くと、「楽しかった!けど、こんなに伝える事が難しいとは思わなかった。登っている時の仲間の声援が心強かった」「頭では分かっていても、いざ口に出すと何を言ってるのか分からなくなってもどかしかった」「登る時最初は不安だったけど、普段使わない感覚を使っていた気がする」「怖いという思いから自分の感覚を頼りにどんどん登りたいという思いに変わっていった」と、達成感に溢れキラキラ輝いた清々しい表情を見せてくれました。今回の授業では、普段いかに視覚に頼って生活しているのかを身を持って体感しました。また、伝え手・受け手の感覚は違う事も多く、伝える事の難しさと共に、受け手は欲しい情報を伝えるのも大切なのだという事を感じました。そして小林先生は、自分がして欲しい事から“相手が必要としている事を考える”きっかけづくりにもなり、それはフリークライミングだけに限らず日常生活においても当てはまることだと、改めて教えて下さいました。
自分の最大限の能力・個性を引き出して登るのがフリークライミング。個性を生かして、工夫をこらして…自分の可能性にチャレンジする!無限大の可能性を秘めたフリークライミングの世界に目覚めてしまったのは私だけではないはず。そこに壁がある限り…登り続けていきたいと思います!



















